エンタープライズコンテンツ管理(ECM)シ ステムとは?
業務に必要な情報や書類を探すのにどれくらいの時間を費やしているかを考えたことはありますか?平均的 な労働者は、毎日平均約 2.5 時間、勤務時間全体の約 30%をコンテンツ探しに費やしています。高効率なコ ンテンツ管理システムなしでは、全文書の 25%が所在不明になってしまいます。
エンタープライズコンテンツ管理(ECM)は、記録・文書管理としても知られており、ライフサイクルを通 してコンテンツを管理するために定めた一連の戦略、プロセス、手法、ツールをさします。コンテンツに は、契約書やスキャン画像、文書、スプレッドシートなど、あらゆるものが含まれます。ECM 戦略により、 2 重要なデータの取得と整理および、顧客やパートナーを含むステークホルダーへの提供が効率的になりま す。
ECM は、新しいコンテンツやテクノロジーの登場に伴って急速に進化しています。ECM の主な目的は、社 内情報のデジタル化の徹底とリスクの軽減です。煩雑な紙ベースの業務を削減することで、生産効率も高ま ります。
ECM は、デジタルコンテンツの活用による業務の効率化と、ビジネス目標達成の促進、さらに、プロセスの 可視化を支援します。ECM の構築が可能なプラットフォームの導入によって、組織の業務効率が向上し、情 報検索の労力を最小限に抑えることができます。
いま必要とされる ECM
ECM の定義は多様で、各企業のニーズに応じて役割が異なります。昨今の ECM は、さまざまなデジタル化 サービスを幅広くサポートするようモダナイズされています。ここでは、3 つのタイプの ECM をご紹介しま す。
Web コンテンツ管理
ECM を Web コンテンツ管理(WCM)として拡張することで、Web サイトの構成・管理に利用できます。 厳格なブランドガイドラインを守りたいケースや、Web サイトが比較的複雑なケースでは、WCM は有効な 選択肢となります。WCM は、編集権限を与えられた複数の人物による、一貫性のある Web コンテンツの作 成・編集・公開を可能にします。
コラボレーションコンテンツ管理
コラボレーションコンテンツ管理ソリューションでは、契約書などの文書のアクセスおよび共同編集を複数 のユーザーで行うことができます。このタイプの ECM は、複数の関係者が関わるプロジェクトの管理に便利 3 です。コラボレーションコンテンツ管理によって、共同作業を行う関係者全員が常に最新のコンテンツを利 用できます。
トランザクションコンテンツ管理
トランザクションコンテンツ管理(TCM)では、複数のチャネルからのコンテンツの取り込み、分類、保存 が可能です。さらに、必要なコンテンツをユーザーが適切なタイミングで取得できるよう、ワークフローを 自動化することもできます。
TCM は、紙の文書や記録、デジタルファイルなど、さまざまなタイプのコンテンツを高頻度で扱う組織に適 しています。TCM は、他のデータベースやアプリケーションとシームレスに連携し、コンテンツの検索や使 用を促進させます。また、TCM では、不要になったコンテンツの削除も容易です。
エンタープライズコンテンツ管理の 5 つの主要な要素
ECM 戦略の導入に際しては、事前に構成要素を理解しておくことをおすすめします。ECM の主要な 5 つの 要素は次のとおりです。
1. 取り込み(キャプチャ)
ECM で社内の全コンテンツを管理するには、まず、クラウドサーバーなどのデジタルストレージへの情報の 取り込みと保存を行います。このプロセスでは、紙ベースの文書や調査報告書、契約書、通信文書、請求書 を電子フォーマットに変換します。さらに、組織内で作成・保存・共有・アーカイブするあらゆるコンテン ツをデジタルデータベースに取り込みます。
例えば次のような方法でコンテンツを取り込みます。
- 紙の文書をスキャンする
- 作成段階から電子フォーマットを使用する
- 共有デバイスや共有ネットワークの文書の入力・分類を自動化する
コンテンツの取り込み・収集方法にかかわらず、デジタルストレージを利用することで、提供の遅れ、手間 のかかる複製、原本の紛失など、さまざまな問題を回避できます。
2. 管理
ECM の管理とは、ライフサイクルを通したコンテンツの管理、すなわち、取り込んだ文書をどう処理し、関 連付け、編集・更新し、利用するかを意味します。文書管理、WCM、記録管理、クラウドベースのコラボ レーションソフトウェアなどのツールによって、重要な業務情報の整理や保持、セキュリティを強化できま す。
3. 保存
情報をセキュアに保存することは、媒体が紙かデジタルかにかかわらず、あらゆるビジネスにおいて非常に 重要です。クラウドベースのプラットフォームでは、暗号化やユーザー認証などのセキュリティ機能を利用 できます。これらの機能により、誰が文書を作成・閲覧・編集できるかを制御できます。また、ビジネスク リティカルな文書をデジタルスペースで保管することで、作成日、タイトル、メタ情報に基づいた文書の分 類・検索が可能になります。
柔軟性の高いデジタルソリューションで文書を保管することで、紙媒体では不可能な次のようなメリットが 得られます。
- 迅速な転送: フォルダ間のファイル転送が秒単位で完了
- フォルダを容易に作成: サブフォルダの作成も容易で整理に役立つ
- 複雑さの軽減: コンテンツの保持スケジュールを短時間で容易に設定
4. 保持
コンテンツの保持は、実質的にはコンテンツをセキュアに保存しておくことを意味します。ECM の構築に必 要な機能を備えたプラットフォームを利用することで、信頼性の高い長期保存を実現できます。
コンテンツ保持の方法は組織によってさまざまです。しかし、重要な情報を確実に保持しておくことで、説 明責任への備えと規制へのコンプライアンスを確保できます。例えば、政府の監査を受ける場合に備えて、 重要な業務文書や契約書、通信文は、誤廃棄や紛失を避け、適切に保管しなければなりません。
5. 提供
エンドユーザーが必要とするデータとコンテンツを確実・セキュアに提供することも、ECM の重要な役割で す。ユーザーは、大量のファイルから 1 つのファイルを見つけ出す手間を回避できます。組織のニーズに即 した ECM ソリューションを導入することで、必要な情報、重要なデータのスムーズな供給が可能になりま す。
ECM のメリット
ECM 戦略は組織にどのようなメリットをもたらすでしょうか?ECM をデジタルプラットフォーム上に展開 する主なメリットには、次のようなものがあります。
リスクの最小化
ECM は、組織のコンプライアンスリスクを最小化します。一元化されたクラウドプラットフォームで ECM を導入することで、ビジネスのリスクやデータ侵害につながる非効率なプロセスを排除できます。コンテン ツの制御性が高まり、文書へのアクセス権と認証の制限が可能になり、重要な情報が不正に流出するリスク を低減できます。
紙ベースのシステムのみを使用している場合は、コンプライアンスの確保も困難になります。すぐにアクセ スできるように保管すべき重要な書類を紛失したり、誤ったフォルダに入れてしまったりする事態を防がな ければなりません。ECM を適切に導入することで、コンプライアンス違反のリスクを低減できます。特に、 HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)や FINRA(金融業規制機構)で定められた業界基準へのコ ンプライアンスが組み込まれたクラウドプラットフォームは、この点で有利です。
コストの削減
ペーパーレスの実現は、これまでの業務スタイルによっては、長い移行期間を要する取り組みとなり得ま す。しかし、長期的に見れば、デジタル化を実施する価値は高いといえるでしょう。物理的な保管スペース や、紙などの消耗品の量を減らすことで、運用コストの削減と、ファイリングなどの手作業に要する時間の 大幅な短縮が可能になります。
デジタルリポジトリを使用することで、郵送・発送の作業など、これまでの手動プロセスの多くを自動化で きます。必要な文書にすぐにアクセスできることで、文書の転送や、文書を介したコラボレーションや議論 が容易になります。
生産効率の向上
生産効率を向上させるソリューションを導入することで、デジタルリソースを最大限に活用して効率よく業 務を遂行できるようになります。効果的な ECM は、コンテンツへのアクセスを容易にし、業務プロセスを効 率化し、オーバーヘッドを最小化します。重要な文書の検索や編集、転送が容易になることで、より多くの 業務を遂行できるようになります。
コンテンツのアクセス性の向上
チームの業務は、実用的なコンテンツへのアクセスに大きく依存しています。旧式のコンピュータシステム を使用して文書のファイリングを行っている場合には、データマイニングが非常に面倒で時間のかかる作業 になります。ナレッジワーカー(知的労働者)は、業務上の意思決定に必要な情報を探すために膨大な時間 を費やしています。例えば、購入を承認する前に契約書を確認したり、新たな宣伝キャンペーンを始める前 に過去のキャンペーンを振り返ったりしなければなりません。
クラウドプラットフォームを利用した ECM 戦略を導入することで、データ検索/分析ツールに簡単にアクセ スできます。これらのツールにより、ユーザーは、プロセスを自動化し、検索結果を絞り込み、必要なコン テンツをより効率的に見つけることができます。
記録管理の改善
ECM の第一の目的は、組織内の文書や記録の整理整頓を容易にすることです。会議の直前に重要な契約書を 30 分もかけて探すようなことは避けなければなりません。マーケティング計画書や法的契約書、製品仕様 書、技術マニュアルなど、企業活動にはさまざまな文書が必要です。ECM 戦略を導入し、それらの文書の作 成・管理を、シンプルで一元的なデジタルプラットフォームで行うことをおすすめします。
クラウドベースのリポジトリを通じて ECM ソリューションを導入することで、ストレージ環境の強化、手作 業の削減、文書の分類のための組織的な枠組みの構築が可能になります。ECM の構築を支援するプラット フォームは、ファイルの保存・共有が可能でアクセスしやすく、チーム全員が各部署のニーズに応じてフォ ルダやファイルの整理を容易にできる環境を提供します。これにより、重要な業務データの記録と維持が容 易になります。
セキュリティの維持
コンピュータ化されたシステムやオンラインのシステムでのデジタルファイルの保存には、リスクも伴いま す。効果的な ECM 戦略には、コンテンツセキュリティとデータプライバシー機能を備えた、重要な業務情報 の確実な保護を可能にするプラットフォームが必要です。
権限を付与されたユーザーが、特定のコンテンツの作成・閲覧・編集・更新・転・削除を行うよう制御する ことも重要です。
昨今の分散型業務環境では、企業はコンテンツセキュリティに対する内外の脅威にさらされています。セ キュアなコンテンツ管理プラットフォームと ECM 戦略を導入することで、データの流れの監視と、インテリ ジェントな脅威検知機能によるデータ侵害の防止が可能になります。
無秩序な状態の軽減
紙の文書や物理的なファイリングシステムに依存している環境では、検索に時間がかかるだけでなく、他の 問題が発生するリスクもあります。組織の成長に伴ってコンテンツが急速に蓄積すると、保持スケジュー ル、アーカイブ、削除、整理が追いつかなくなります。無秩序で混沌としたオフィスは、従業員の満足度に 悪影響を及ぼし、燃え尽きや緊張を引き起こし、業務効率を低下させるという調査結果があります。
さらに、混沌としたオフィスと精神的な疲労やストレスとの間に有意な関係があることを示す調査結果もあ ります。混沌とした状態を解消し、情報のアクセス性と可視性を高めることで、時間の節約、文書間の相互 参照、情報のアーカイブを容易にし、再入力などの無駄な反復作業を回避できます。このように、クラウド ソリューションをベースとした ECM は、業務効率と従業員のウェルビーイングの両方にメリットをもたらし ます。
ECM 戦略の策定
ここまでで、効果的な ECM 戦略を策定・施行することの重要性について説明してきました。次に、各組織の ニーズに最適な ECM 戦略はどのようなものかを考えてみましょう。
ECM 戦略では、コンテンツと情報のフローを組織全体で管理することのメリットを考慮します。ユーザー が、統合化された共有プラットフォームにアクセスできること、そのプラットフォームがゲートキーパーと なり、プラットフォーム内の全てのデータへのアクセス許可を管理することが、ECM 戦略の中核的な役割と なります。ECM 戦略は主に以下の事柄に対応します。
- コンテンツのキャプチャとインデックスの作成
- アクセス性と可用性の向上
- アセットリポジトリの管理
- シームレスなコラボレーション
- ライフサイクルの管理
- システムの統合
- 使いやすさ
- 拡張性
- セキュリティ
ECM 戦略を初めて導入する場合でも、クラウドベースのコンテンツプラットフォームにアップグレードする 場合でも、今後のプロセスをどのように効率化するかについて組織内で共通の認識を持つためには、正式な プランニングが欠かせません。ECM は、各企業のニーズにあわせた内容にする必要があります。しかし、共 8 通するのは、最善の意思決定に必要な情報に、社員自身がデジタルツールを介して容易にアクセスできる環 境を提供するという点です。
ニーズにあわせた ECM 戦略を可能にし、全てのデータを一か所に集約して管理できる機能を備えた集中型プ ラットフォームを導入することで、次のようなメリットが得られます。
- アクセス性:オンライン/オフライン、場所を問わず、モバイルを含むあらゆるデバイスからコンテン ツにアクセスし、閲覧・編集・コラボレーションができる。
- 追跡:コンテンツに関するあらゆるアクションを追跡する。
- ペーパーレス:紙の使用の最小化または廃止を可能にする。
- バージョン管理:バージョン管理を容易にする。
- 迅速化:業務プロセスを迅速化する。
- 統合:主要な業務アプリケーションとの統合を可能にする。
- 監査とコンプライアンス:監査とコンプライアンスの追跡を効率化する。
- 生産性向上:チームの生産性を高める。
- 単一の情報源:コンテンツの単一の情報源を確保する。
ロードマップの作成
オンラインでの情報共有を行っている組織では、形式上は ECM 戦略を策定しているかもしれません。しか し、特定のビジネス目標を達成するために意図的に設計されたものではなく、成り行きで採用された非効率 な手法が含まれているケースがあります。
効果的な ECM 戦略を策定するための第一のステップは、目標と計画を明確にするロードマップの作成です。
ECM のロードマップを作成するための 3 つの重要なステップをご紹介します。
1. コンテンツの実態調査
組織が所有するコンテンツについて、現在どのような方法でファイルの命名・保存、組織内外での共有を 行っているのかを調査します。調査の対象には、ネットワークを介したファイルの共有や正式なデータベー スも含まれます。
コンテンツに関する現行プロセスの調査にあたっては、組織内で次のことを共有しておく必要があります。
- 分類の基準
- ファイルやフォルダなどのアイテム名の割り当て
- 情報整理のための原則に基づいた命名ルールの使用
- 文書整理に必要な用語の定義
2. 組織内のコンテンツのライフサイクルの文書化
次に、作成中の文書から公開済みのファイルまで、コンテンツのライフサイクルをどう定義するかについ て、組織内で協議します。また、クラウドに移行した場合に、ライフサイクルがどのようになるかを理解す る必要があります。
まず、特定の文書を作成・編集する人の役割と責任を明確にします。次に、コンテンツの仕上げに必要なタ スクとアクティビティを特定します。コンテンツの公開後、長期保存のためのファイリング、保管、分類の 方法を決定します。ここでステップ 1 のコンテンツ実態調査に戻り、ファイルの整理に関する用語やルール を定義することもできます。
さらに、古いコンテンツをどう管理するか、ドラフト段階の文書をどう扱うか、文書をアーカイブまたは削 除するまでの最低・最大の保存期間はどれくらいかなど、アーカイブのプロセスを明確にします。
3. 規制要件と運用リスクの明確化
ECM ロードマップ作成の最後のステップとして、コンテンツガバナンスに関するガイドラインの明確化を行 います。その際には、ユーザーセキュリティ、認証、コンプライアンスなど、データをセキュアに保つため の要件を考慮する必要があります。どのユーザーにどのコンテンツへのアクセスを許可するのか、どのレベ ルのアクセス(閲覧、編集、作成、削除など)を許可するのかを決定します。
新しいチームメンバーが ECM 戦略に慣れるまでは、誤ってデータを変更したり削除したりしないよう、閲覧 または読み取りのみにアクセスを制限することも可能です。
ECM のベストプラクティス
ECM 戦略を策定する際に役立つベストプラクティスをご紹介します。
1. 包括的なアプローチ
新たな戦略を採用する際には、新しいプロセスを円滑に進めるための強力なリーダーシップが必要となりま す。経営幹部の協力を得て、トップダウンのアプローチで新たなビジネス目標を定義することから始めると よいでしょう。ECM 戦略を施行する前に、幹部と協力してリソース配分と予算を再構築します。
トップダウンで始めることで、継続的な改善が図れると同時に、組織内の協力体制を強化できます。このプ ロセスは、組織のめざすところをまだ十分に理解していない新人や経験の浅いメンバーにも有益なものとな ります。
2. ステークホルダーを巻き込む
ECM 戦略を施行し、紙ベースあるいは他の非効率なシステムからクラウドベースのコンテンツ管理プラット フォームにスムーズに移行するには、主要なステークホルダー全員を巻き込み、支持を得ることが重要で す。
早い段階から目標を明確にして取り組むことで、ビジネスパートナーやチームメンバーの協力が得やすくな り、ECM システムの継続的な改善と、初期目標の達成における重要な成功要因の特定が可能になります。ま た、導入の初期段階でステークホルダーのニーズに対応することで、ECM ロードマップへの賛同を得やすく なります。
3. 詳細な分類ルールの設定
ECM 戦略の主要目的の 1 つがコンテンツの整理であることから、分類ルールの設定は重要事項となります。 ECM ロードマップの策定と施行を担当するチームを立ち上げたら、各企業固有のビジネスニーズを満たすコ ンテンツアーキテクチャを構築し、情報の分類がどのような場合に重要になるのかを議論します。
適切なクラウドソリューションを基盤とする ECM 戦略を施行することで、分類されたコンテンツと現在・過 去のタスクとの関連付けが容易になります。社内の協力を得て次の事柄に取り組むことが重要です。
- ファイルに関するプランニング、ルールの作成
- 関連用語の定義と管理
- セキュリティと記録管理の基準の整備
4. 効果的なコミュニケーションの促進
コミュニケーションは、あらゆるビジネスの成功に必要な重要要素の 1 つです。新しい戦略や計画、方法、 技術、スケジュールをワークフローに取り入れる際には、効果的なコミュニケーションが欠かせません。 ECM プログラムの各ステップに全員が参加することで、新しい戦略に対する組織内の拒否反応を防ぐことが できます。
ECM 戦略導入の決定と同時に、まずは各部署のトップなどの主要なメンバーにその旨を知らせることをおす すめします。その後、組織階層に沿って他の社員を徐々に巻き込み、新たな戦略と導入に伴う変更につい て、社内全員の理解と協力を促進します。
クラウドベースの ECM
クラウドベースのサービスとして構築された ECM には、どのようなメリットがあるでしょうか?クラウドプ ラットフォームを初めて導入する場合には、クラウドソリューションと ECM は同じものではない一方で、ク ラウドの機能を利用することで、ビジネス上のニーズの変化にあわせた拡張が可能な独自の ECM ソリュー ションを構築できることを理解しておくとよいでしょう。
クラウドベースの ECM には、次のようなメリットがあります。
- 統合性:他のクラウドサービスとの統合が可能
- コンプライアンス:コンプライアンスの確保が容易
- IT 負荷の軽減:柔軟性の向上により、IT 管理の負担を軽減
- サービスの充実:広範でハイレベルなサービスを提供
- BCDR の支援:事業継続性(BC)とディザスタリカバリ(DR)を支援
- アクセス性:モバイル/リモートアクセスが容易
- 自動化:ソフトウェア更新を自動化
コンテンツは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の中核をなすものです。しかし、現在使用されて いる ECM システムの多くは、複雑・高コストで、現代のニーズを満たさない旧式のものであるため、本来の 目的である業務改革につながっていないのが実情です。クラウドコンテンツ管理プラットフォームの導入に より、社外のパートナー、社内の各部署、顧客との間でのコンテンツを介した連携をシームレスに、コンプ ライアンスやセキュリティを犠牲にせずに、行うことができます。
また、コンテンツの作成から、保持、廃棄に至る一連のプロセスを可視化することで、コンテンツのライフ サイクルをより効果的に制御できます。ファイルのロックやバージョン履歴をはじめとする重要な機能を備 えた API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を利用することで、コンテンツの制御性が さらに高まります。
コンテンツクラウドがお役に立ちます
Box のコンテンツクラウドを利用することで、あらゆるコンテンツを単一のセキュアなプラットフォームで 管理できます。ファイルの作成、共同編集、共有、電子サイン、分類、保管など、コンテンツのライフサイ クル全体の管理が可能です。また、社内外を問わず、誰とでも容易にコンテンツを共同制作できます。フリ クションレスな(摩擦のない)、エンタープライズグレードのセキュリティとコンプライアンスは、Box の 根幹をなす概念です。お客さまのコンテンツは確実に保護されます。Box は、1,500 以上のアプリとのシー ムレスな統合に加えて、Box Sign をはじめとするネイティブな機能を豊富に備えています。Box のコンテン ツクラウドは、各ユーザーが最適な環境で業務を遂行できるよう、単一のコンテンツレイヤーを提供しま す。
コンテンツクラウドは、お客さまの組織全体のゲームチェンジャーとなり、ワークフローを合理化し、全て の部門の生産性を向上させます。Box の導入に関するご相談・お問い合わせを承っております。こちらの ページからお気軽にご連絡ください。
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