オックスファム

支援のニーズに迅速に応える

課題

オックスファム(Oxfam)は、貧困と不正を根絶するために世界各地で支援活動を展開している国際協力団体です。支援が必要な地域に新たに事務所を設置してそれを機能させるまでに8〜12週間を要しており、このことが迅速な支援の提供を阻んでいました。また、既存のシステムは断片化されていたため、コンテンツガバナンスを管理し、GDPRなどの新しい規制に対応することも困難でした。

 

ソリューション

Boxの導入により、オックスファムのスタッフ、ボランティア、パートナーは、新しい現場に到着後すぐに支援活動の準備に取り掛かれるようになりました。また、コンテンツ全体がBoxで一元化され、一貫したセキュリティとコンプライアンスポリシーの適用が可能になりました。

 

成果

オックスファムは、新しいプログラムをすばやく立ち上げて実行に移せるようになったため、これまでよりも迅速に支援を提供できるようになりました。コンプライアンス違反やセキュリティリスクを軽減し、多様化する規制にもより迅速に対応することが可能です。

世界では、約3人に1人が貧困状態にあります。そして、世界で最も裕福な8人が、最も貧困な38億人分と同じ資産を所有しています。このような事実が、オックスファム・インターナショナルのCIOを務めるマイケル・ダガン(Michael Duggan)氏の日々の活動を動機付けています。デジタル変革はここでも重要な役割を果たし、貧困を生み出す状況を変える大きな可能性をもたらします。 

オックスファムは、70年以上にわたって活動を続けています。当初は、援助を直接提供することに焦点を当てていましたが、使命は徐々に多様化し、不正と貧困の根本原因である不平等に取り組むようになりました。オックスファムは、傘下にある19の独立した民間組織から構成され、90カ国以上で活動しています。彼らは、人々を貧困に閉じ込める法律や慣行を変えるために働き、人々が自分の権利を主張するのを助けるプログラムを作成し、また、有事の際には一早く現場に駆けつけます。 

オックスファム + Box

オックスファムは、これまでに多くのITシステムを導入してきました。組織のデジタル変革を指揮するダガン氏には、「テクノロジーを活用して大きなインパクトをもたらす」という任務があります。彼は、オックスファムが支援する人々に最良の影響を与えることができる効率的な組織になることを望んでいます。また、オックスファムのサポーターにもできるだけメリットを提供したいと考えています。

 

デジタル変革への取り組み

ダガン氏は、デジタル時代の恩恵を最大限に活用するには、オックスファムが大規模なデジタル投資を開始する必要があるとの考えに至りました。また、組織全体での共同作業が必要であることも認識しました。したがって、オックスファムのデジタル変革には、19の関連組織を取りまとめることが必要でした。「私たちは、非常に異なる背景や歴史を持ち、異なる技術スタックで成り立っています。」とダガン氏は言います。「クラウドの活用が私たちを結び付け、より効率的な組織になりました。」一例として、オックスファムではシングルサインオンにOktaを使用し、Workplace by Facebookによって、さまざまなメールシステムを使用するスタッフとの連携を実現しています。 

また、ベストオブブリードのクラウドサービスを多くの既存システムに組み込み、ユーティリティと使いやすさを向上させています。このアプローチによって、コンプライアンス、データ保護、プライバシーの要件を満たすことも容易になります。ダガン氏は、テクノロジーの実装がうまく機能していない非営利組織が多くあることを強く認識しています。このことは、寄付金が無駄になることにつながり、援助を必要としている人々への支援機会が減ることを意味します。彼は、このような分野には、独自のバックオフィスシステムは必要ないと考えています。その代わりに、信頼できるクラウドプロバイダと連携し、デジタル変革の恩恵を十分に享受できるツールを構築すべきと強調しています。Boxが提供するクラウドソリューションは、オックスファムのデジタル変革を促進します。 

 

進化する規制に対応するテクノロジー

19の関連組織、10,000人のスタッフ、数万人のボランティアや外部協力者からなるオックスファムは、サポーターやプログラム参加者の情報を慎重に管理し、保護する必要があることを強く認識しています。「私たちは人々の権利を重視している組織であるため、このことはとても重要です。」とダガン氏は言います。監査やコンプライアンス要件に備え、スタッフやボランティアが機密コンテンツを保護するために必要なツールを備える必要があります。このためには、適切な技術ソリューションを使用することが重要です。 

「GDPRに対応するために、多くの組織、特に大量の非構造化データを収集および管理する組織には新たな課題が生じました。」とダガン氏は言います。オックスファムは、Box Governanceによるコンテンツのタグ付けや検索機能の利用を開始し、GDPRやその他の規制に準拠できるようになりました。

 

「このようなツールを活用してコンプライアンス要件に対応することで、それらの作業にかかるオーバーヘッドを大幅に削減できると同時に、外部から求められるデータに対する権利リクエストに対して効果的かつ迅速に対応できるようになります。」 

オックスファム・インターナショナル CIO マイケル・ダガン氏

 

オペレーションの効率化で、より効果的な支援を提供

オックスファムは、大規模な災害にも対応できる数少ない世界的な支援機関の1つです。2018年9月にインドネシアで発生した地震・津波に際しても広範囲な支援活動を行っています。 以前は、事務所を完全に機能させるまでに8〜12週間かかっていました。組織のデータにアクセスするには、ファイルサーバーがあるオフィスに出向いてファイルを操作する必要がありました。しかし現在は、世界中のどのデバイスからでもすぐにデータを利用できます。「Boxに保存されている41テラバイトものドキュメントにスマートフォンからアクセスできます。データは90か国以上から収集されています。」とダガン氏は言います。

「インターネットを利用できる限り、スタッフが情報にアクセスできない場所はありません。それに、私たちはインターネットのセットアップにも慣れています。」現場に到着したスタッフは、ブリーフィング資料、パートナーに関する情報、手続きの情報など、必要とする最新のドキュメントにすぐにアクセスできます。インターネット接続できない場合は、Box Driveを使用してオフラインで情報にアクセスすることもできます。このことは、組織の発展と作業効率の向上につながりました。「Boxはゲームチェンジャーです。」とダガン氏は言います。

  

「私のチームは、スラウェシ島パルで発生した地震と津波に対する災害支援活動を行いました。現地では、WorkplaceグループとBoxフォルダを速やかにセットアップして円滑なコミュニケーション手段を提供し、絶えず変化する環境と要求に適切に対応することができました。」 

オックスファム・オーストラリア、災害支援スタッフ

オックスファム

Boxの利点は、アクセススピードが優れていることに加え、使いやすいことです。オックスファムのデジタルワークプレイスマネージャを務めるダイアナ・ラングレー(Dianna Langley)氏は、「IT担当者の力を借りなくても、チームスタッフは簡単に構造を理解することができます。安全にファイルを使用でき、フォルダを適切に保護できます。」と述べています。Boxは直観的で使いやすく設計されています。「災害がどこで発生しようとも、コンテンツ管理のソリューションには、場所に依存しないグローバルなクラウドを活用しているため安心です。そして、そこには緊急事態には特に重要となる、予測可能性と使いやすさが備わっています。」

ダガン氏は今後、組織が保管する膨大な量の映像と画像をより適切に管理するために、Box Skillsを活用することを計画しています。例えば、オックスファムが所有している写真や映像に、特定の人物が登場しているかどうかを知りたい場合、Box Skillsのソリューションを活用することで、迅速かつ効率的にそれを調べることが可能になります。 

 

「クラウドは、私たちが活動を行う非常に厳しい環境下でも機能することを実証してきました。私たちの活動内容に大きなインパクトを与え、支援活動の提供スピードが向上しました。」 

 オックスファム・インターナショナル CIO マイケル・ダガン氏

他の組織との共同作業を推進 

オックスファムの活動には、他の人道支援組織との連携を強化することも含まれます。人権、教育、災害支援など各組織によって取り組む課題は異なりますが、オックスファムはBoxを使用して、それらの組織との情報共有や共同作業を行っています。 

「災害現場では各組織の境界は曖昧になります。誰もが協力し合わなければなりません。」 ラングレー氏は、現場でオックスファムと共同で作業している他のNGOともBoxを介してフォルダを共有できることに価値を見出しています。オックスファムが規定する適切なアクセスレベルを維持しながら、他の組織とも迅速に情報共有することができます。  

現場で迅速に作業を始められるようになったのと同様に、撤収作業も効率化することができました。そのため、以前よりもはるかに早く次の現場に駆けつけることができます。他の組織とも簡単かつ安全に情報を共有できるため、撤収や応援などに伴う作業の引継ぎも円滑に行うことが可能になりました。 

 

「Boxは、パートナーとの共有スペースの構築を可能にします。情報共有が促進され、相互に影響力を高めます。」 

 オックスファム・インターナショナル CIO マイケル・ダガン氏

 

テクノロジーを通じて人間の本質を考える

テクノロジーとそれがもたらす効率性には大きな期待が寄せられるいっぽうで、「人間の本質を見失うことはできない」とオックスファムは強調します。例えば、移民および難民キャンプにおいて、オックスファムは個人の身元確認を要求しません。オックスファムがデジタル技術を駆使して身元を特定することは可能です。しかし、戦争や紛争から逃れて来る人々は、自身の身元情報が共有されてしまうことを恐れます。そのことをオックスファムは理解しています。テクノロジーは効率を高めますが、技術的に優れたソリューションであっても盲目的に採用することは避けるべきです。支援を受ける人々のことをよく考え、その意味を理解することが重要であるとダガン氏は強調します。 

オックスファム

また、オックスファムは、デジタル変革はインフラストラクチャを組織外にシフトするだけでなく、実際にはワークロードもシフトすることを強調しています。AIやビッグデータの影響が大きくなるにつれ、これらの技術はオックスファムやパートナーにも大きな責任をもたらすと、ダガン氏は強く感じています。「Boxは、テクノロジーの存在意義について倫理的に考えていることを実証しています。私たちは、そのような企業でなければ協力していくつもりはありません。テクノロジーがもたらす影響について、また、倫理的および人間的な方法でどのようにテクノロジーを活用できるのかについて、オープンで率直な話し合いを重ね、それらを知る必要があります。」 

ダガン氏は、技術的な分野で勝利を収めた企業は、その技術を利用する組織だけでなく、消費者、サポーター、プログラム参加者といった人々にも支持され、信頼を維持し続ける企業になると考えています。 

 

「技術がどんなに素晴らしくても、また、プログラムの有効性に大きな影響をもたらす可能性がどんなにあったとしても、関係するすべての人々や力の弱い人々を尊重する方法で行われなければ、意味がありません。」 

 オックスファム・インターナショナル CIO マイケル・ダガン氏

 

BoxおよびBox.orgは、オックスファムやその他何千もの非営利組織が、昼夜を問わず人々の生活改善に従事していることに敬意を表します。 Box.orgでは、非営利組織を対象としたサービスを提供しています。

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非営利団体のためのBox
大義はクラウドから

デジタル化とモバイル化によって、非営利団体はかつてない方法で支援者の活動を活性化させ、人々に支援の手を差し伸べることが可能になりました。非営利団体は、そのために真のデジタル化を目指しています。 Boxのクラウドコンテンツマネジメントが非営利団体の活動を支えます。

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Boxは、世界中の企業に、一元管理されたセキュアなクラウドのコンテンツサービスを提供することに全力を注いでいます。セキュリティとレジリエンスを、Box製品だけでなくBoxの仕組みにまで組み込んでいます。

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